平成最後である平成31年の記念に発行された
天皇陛下御在位30年記念五百円硬貨。
記念硬貨は豪華なだけではなく、最新の偽造防止技術のかたまりなんです。
どのような技術が使われているのでしょうか。
天皇陛下御在位30年記念五百円の偽造防止技術
天皇陛下が退位されるにあたり、記念硬貨が発行されました。
天皇陛下御在位30年記念五百円硬貨です。
平成31年に天皇陛下在位30年を記念して造られた500円硬貨です。
漢字って便利ですよね。
言いたいことがバッチリ詰まったネーミングです。
天皇陛下御在位30年記念五百円でも十分長い名称ですが、
この記念硬貨、正式名称を
天皇陛下御在位30年記念五百円バイカラー・クラッド貨幣
といいます。
26文字。かなり長い。
しかも漢字で言いたいことをバッチリ詰めたはずなのに、カタカナが追加されてます。
バイカラー・クラッドとはなんぞや?
偽造防止技術①:バイカラー技術/クラッド技術
造幣局HPによると、
との説明がありました。
「??」
となったあなた。私もです。
もっと調べてみたところ、バイカラー・クラッド技術は偽造防止技術のひとつのようです。
補足すると偽造防止技術とは、悪い人が勝手にお金を作れてしまうと経済が混乱するので、悪人が作り方を真似できないような最新テクノロジーを詰め込んだ技術のことです。
バイカラー・クラッド技術は、1ユーロ通貨などの欧州のユーロ通貨にも採用されているそうです。
写真のように、1ユーロ硬貨はゴールドとシルバーの2種類の金属を組み合わせた硬貨となっています。
このように、バイカラー・クラッド技術が使われた硬貨は、
2つの金属を組み合わせた硬貨となります。
以下、詳しく見ていきます。
造幣局HPの説明文や、「バイカラー・クラッド貨幣」のバイカラーとクラッドの間に「・」があるとおり、
「バイカラー技術」
「クラット技術」
に分けられます。
クラッド技術
調べた内容を咀嚼してざっくり説明します。
説明の都合上、先にクラッド技術の概要から。
クラッド技術を一言で
クラッドとは、アルミと銅など、2種類以上の異なる金属板を貼り合わせる技術です。
クラッド技術の仕組み
2枚の板を重ね、すごく高い圧力をかけて密着させて貼り合わせます。
高い圧力をかけることで、金属と金属が原子レベルで結合するため、接着剤を使うよりもはがれにくくなります。
3種類以上の金属板を貼り合わせるときは3枚以上重ねて同様に圧着すればOK。
結果、クラッド技術でできた金属板は2層とか3層構成になります(重ねる板の数による)。
メリットは、それぞれの金属がもつ特性をあわせ持った特徴を持たせられること。
合成ですね。アトリエでぐーるぐる。
なお、今回の500円記念硬貨では、
■ニッケル黄銅
■白銅
■銅
の3つの金属材料を使った3層構成ですね。
2層構成よりも偽造するのがより難しくなります。
バイカラー技術
バイカラー技術を一言で
2層以上の金属板を、金属板の材質とはまた異なる金属で出来たリングの中にはめ合わせてお金の形を作る技術です。
バイカラー技術の仕組み
バイカラーとはバイ(2)とカラー(色)を組み合わせた英語です。
つまり2色という意味。
上のクラッド技術で重ねた2種類の金属板は、それぞれの色が異なることからバイカラーといえます。
金と銀の板をクラッドしたら、金色と銀色のバイカラーになる。といった感じ。
リングの中にはめ合わせてお金の形を作るときに、重なったそれぞれの板が剥がれないようにする必要があります。
その難しさを解決したのがバイカラー技術なのです。
バイカラー・クラッド貨幣のまとめ
まとめると、退位記念硬貨は、
バイカラー・クラッド技術により、
材料の異なる2層や3層を密着した金属板を作り、
さらに別の金属でできたリングを使って、金属板から記念硬貨の形状を作り出した貨幣。
となります。
(造幣局HPの説明ほぼそのまま)
クラッド技術で重ねる金属板の層数を増やすほど密着させることが難しく、
バイカラー技術でお金を形取るときに板が剥がれないようにすることも難しい…。
そのため、悪人からすると、それら単独の技術でも真似が難しい上に、それらの技術を組み合わせて作られた記念硬貨は、それはそれは簡単に真似して作れそうにもありません。
バイカラー技術 × クラッド技術 = 簡単に真似できない硬貨
と、高い偽造防止効果を得られます。
記念硬貨のバイカラー・クラッド技術
バイカラー・クラッド技術とはなんぞや?がわかったところで改めて記念硬貨を見てみましょう。
光が反射して少しわかりにくいかもしれませんが、
コインの外側が金色、中央が銀色になっています。
バイカラーですね!
偽造防止技術②:異形斜めギザ
天皇陛下御在位30年記念五百円硬貨に使われている偽造防止技術はバイカラー技術、クラッド技術だけではありません。
造幣局HPによると、
天皇陛下御在位30年記念五百円にはさらに「異形斜めギザ」が採用されているそうです。
ギザの歴史
「ギザ」とは、ギザ10のギザのことです。
(ギザ10:側面にギザギザがついた10円玉)
硬貨の側面にギザギザがついています。
ギザ10のギザギザは偽造防止のためにつけていたわけではありません。
ギザ10が出回った昭和20年ころは10円玉が最高額だったため、それがわかるようにギザをつけていたそうです。
その後10円より高価な100円玉が発行されたので、10円玉にギザはなくなりました。
(100円にはギザがついています)
その後500円玉が発行されましたが、500円硬貨は世界的にみても高価な硬貨。
(他の国では500円くらい価値があると紙幣になります)
悪人に模倣されてしまうと社会経済が壊滅します。
そこで悪人に真似されないように考案されたのが「斜めギザ」。
ギザ10や100円玉のようにまっすぐなギザをつけるのは簡単でも、斜めにつけるのは難しいため偽造防止効果がありました。
高価な硬貨につけられた偽造防止効果。はいありがとうございます。
その「斜めギザ」よりもさらに偽造防止効果があるのが、今回の記念硬貨に採用された「異形斜めギザ」。
造幣局が独自に開発した技術で特許も出ていました(特許第4684910号)。
特許に技術内容を詳しく書いちゃって真似されないのでしょうか。
異形斜めギザのすごさ
造幣局の特許第4684910号によると、
従来の斜めギザは、ギザギザの傾きは全て同じ角度です。
が、異形斜めギザでは、ギザギザの傾きを場所ごとに不均一な角度にしています。
しかも、ランダムに角度をつけるわけではなく、同じ角度のギザが全ての硬貨の同じ位置にくるように形成されます。
上の図のように、任意の位置のみに同じ角度のギザをつけることができます。
上の図の場合はその他の部分にギザがついていませんが、同様にまた違う角度のギザをつけることもできます。
悪人が真似しようとした場合、500円玉の斜めギザのすべての位置を正規品と同じ位置、角度にする必要があります。
少しでも異なっている場所があれば偽造したとバレるということになります。
この図のように、正規品(上図)と違う位置にギザができていると、模倣していることがわかります。
(写真は特許の図を使いました)
というすごい偽造防止効果が今回の記念硬貨につけられています。
記念硬貨の異形斜めギザ
確かに傾きの違うギザがついていることがわかります。
(側面左から右にいくにつれギザの傾きが急勾配になってる)
しかも、傾きがランダムではないことがわかる写真がこちら。
この写真は、二枚の記念硬貨の向きを合わせて重ねたものです。
同じ位置に同じ角度のギザがついています。
偽造防止対策ばっちりですね!
まとめ
天皇陛下御在位30年記念五百円硬貨は、
バイカラー技術×クラッド技術×異形斜めギザ
という3つの高度な偽造防止技術が採用されています。
平成最後に、平成の偽造防止技術の集大成な感じの通貨となっていました。
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