サーカスで必ず現れるピエロ。
おどけた素振りや滑稽な演技で観客の笑いを取るキャラクターです。
ところでピエロのことを「クラウン」と言ったり、「ジョーカー」と言ったりすることもありますよね。
などと思っていたら、語源や由来の異なる全くの別物を指す言葉でした。
ピエロ、クラウン、ジョーカーの違いをご紹介していきます。
クラウンとは?
ピエロも気になりますが、解説の都合上、先にクラウンについて説明します。
まずはクラウンについて広辞苑で調べました。
クラウン【clown】
道化師。
とのこと。
ちなみに、道化師のスペルはLですが、スペルがRのクラウンもあります。
クラウン【crown】
①冠。王冠。
Rにすると冠になるようです。
話はそれますが、瓶ビールのフタのこともクラウン(crown)といいます。
ひっくり返した形が王冠に似ているためです。
話を戻します。
中世のサーカスでは馬乗りなどの複数の曲芸が流行りました。
当然、前後の演目間には片付けや準備の時間が必要になります。
一方で、準備や片付けの間に舞台上で何もしないと観客は飽きてしまい、最悪の場合は帰ってしまいます。
そこで準備の隙間時間を埋めて観客を飽きさせない役目として道化師(クラウン)が登場しました。
クラウンは観客の笑いを取るために、
司会として客いじりをする
など、待ち時間の間も観客を飽きさせないことに注力しました。
そのため、実力に長けた役者さんが演じることが多いと言われています。
クラウンというと名作マリオRPGのクラウン兄弟を思い出します…。
強かったなぁ
クラウンの語源や由来は?
クラウンの語源
クラウンは道化師として、演目間の待ち時間を楽しませるために登場しました。
次に、そのような役者のことを「クラウン」と呼ぶようになった由来をご紹介します。
クラウン(clown)は道化師の意味ですが、もともとclod(土の塊)などを意味する語が語源です。
土の塊から「田舎者」を表すようになります。
さらに、失礼なことに貴族にとって田舎者は滑稽に見えたことから「滑稽な人」を意味するようになりました。
転じて、クラウンには、のろま、ばか、おどけ者、おどける、ふざける、などの意味も含まれていくようになりました。
クラウンの由来
その「滑稽な人」が「道化師」の意味に使われるようになったのは18世紀頃のイギリスのサーカスが最初です。
当時のサーカスにて演目間の待ち時間を楽しませるために登場した役者が、自身のことを「クラウン」と名乗ったのが最初といわれています。
以降、今に至るまで道化師のことをクラウンと呼ぶようになりました。
ピエロとは
次にピエロについて解説していきます。
ピエロはクラウンと同様に、
派手な衣装に奇抜な白塗りメイクという目立つ恰好でおどけたり、
転んだり走り回ったり
といった滑稽な役を演じることで会場を沸かす、サーカスにおいて重要な役割のキャラクターです。
そこでクラウンと同様に広辞苑を引いてみます。
ピエロ【pierrot フランス】
①道化役者。
本来はイタリアのコメディア‐デラルテの召使役ペドロリーノから生まれ、フランスの無言劇の道化役となったもの。
白粉や紅を塗り、だぶだぶの衣服を着て襟飾りをつけ円い帽子をかぶる。
今はサーカスの道化役のクラウンを指すことが多い。「悲しき―」②道化者。
人をおかしがらせるように振る舞う人。
また、物笑いになる人。
②の意味はクラウンと同じですね。
このように、ピエロはクラウンの一種ということになります。
ピエロとクラウンの違いは①の部分のようですので、その詳細を見ていきましょう。
ピエロの語源や由来は?
先ほどの広辞苑で出てきた「コメディア‐デラルテ」とは、イタリアの即興喜団の名前です。
ピエロの起源は、イタリアの即興喜団であるコメディア‐デラルテと言われています。
ピエロの由来はコメディア‐デラルテ
劇団コメディア‐デラルテにはアルレッキーノという人気者の道化師が登場します。
アルレッキーノの相方として登場するのが、内気で無言な召使役のペドロリーノです。
ペドロリーノは白っぽいメイクをし、主役のアルレッキーノのそばで飛んだり跳ねたりする役どころでした。
今のピエロと同じ立ち位置ですね。
そう、彼(ペドロリーノ)こそがピエロの語源と言われている道化師です。
ピエロの語源はペドロリーノ
イタリア語のペドロリーノはPedrolinoと書きます。
その後、時代や場所によりPedrolinoが訛ってピエロット(pierrot)となっていき、最終的にピエロとなりました。
ピエロの語源はペドロリーノ
ピエロとクラウンの違い
クラウンもピエロもサーカスにおける道化師です。
ピエロとクラウンの違いは何でしょうか。
笑いの取り方の違い
クラウンはおどけたりふざけたりしますが、観客いじりのときなどは巧みな話術で笑いを誘います。
一方のピエロは話をしません。
飛び跳ねる、転ぶ、失敗するなどのコミカルな動作だけで笑いを取るのです。
ピエロの語源が内気で無言なペドロリーノから来ているという話も納得できますね。
つまり、ピエロはクラウンの中でも特に馬鹿にされる役どころの人を指します。
ピエロ :無口
見た目の違い
ピエロとクラウンは見た目の違いもあります。
上の青と緑のどちらがピエロか分かりますか?
違いを見るポイントとしては、
ピエロの顔には涙があるのに対し、クラウンの顔には涙がありません。
つまり、
顔に涙メイクがあればピエロ、
涙メイクがなければクラウン
ということができます。
(上の絵では青がピエロになります)
ちなみに、ピエロにある涙のマークは、
「自ら馬鹿にされることで観客の笑いを取っているが、心の底では傷つき悲しんでいる」
という意味を表しています。
つまり自虐ネタで笑いを取りつつ、実は内心めちゃくちゃヘコみまくっているのです。
さらにちなみに、ハンターハンターのヒソカもピエロっぽい見た目ですが、顔に書かれたメイクは☆としずく。
しずくは涙ではないようにも思うので、ピエロではなくクラウンになります。
(しゃべりますしね)
ピエロ :顔に涙メイクがある
ピエロの日本の歴史
日本では、「話をして涙メイクのない道化師」(つまりクラウン)のことも一括して「ピエロ」と呼びますよね。
この理由は、日本にサーカスの曲芸が輸入されたときに、クラウンの役どころのほとんどが「ピエロ」だったためといわれています。
その後、サーカスの人気と共に道化師も有名になりますが、
道化師=ピエロ
と勘違いして広まることになりました。
【番外】ジョーカーとは
ピエロとクラウンの違いは理解できたかと思います。
最後に、これまたよく似た存在である「ジョーカー」についても見ていきます。
ジョーカー(joker)はジョーク(Joke)を言う人(-er)を意味します。
ジョークとは冗談や洒落、戯れのこと。
このようなことを言うことが好きな人のことをジョーカーと呼びます。
ジョーカーという言葉自体は特にサーカスとは関係ありませんが、日常生活にてクラウンと似た役回りの人を指すことが多いです。
そのため、2019年製作のUSホラー映画「ジョーカー」は、バットマンの宿敵ジョーカーとして、クラウンのような白塗り顔面メイクのキャラクターが登場します。
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まとめ
ピエロとクラウンの違いについて解説しました。
以下に本記事の内容をまとめます。
コミカルな動きや滑稽な行動が特徴
派手な衣装に奇抜な白塗りメイク
顔に涙メイクが無い
顔に涙メイクがある
このような違いを知っていれば、サーカスを見たときの楽しみ方が増えますよね。
サーカスといえば、世界3大サーカスとは何を指すかご存知ですか?
「世界三大サーカスとは?日本の木下サーカスもその一つ。他はシルクドゥソレイユ?」の記事で紹介しているので合わせてどうぞ。
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