宮崎県

日本神話の海幸山幸神話は宮崎県の鵜戸神宮ゆかりのお話


宮崎県の観光には日本神話の知識が欠かせません。
神社や観光地で当然のごとく神話や伝説が出てきます。

神話を知っていればより楽しめますよ!
今回は日本神話のうち、宮崎県の観光名所、鵜戸神宮などにまつわる神話、海幸山幸神話をご紹介!

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海幸山幸神話のあらすじ

海幸山幸神話をダイジェストでご紹介。
前半は天孫降臨で高千穂に降り立った邇邇芸命(ににぎのみこと)のお話です。
天孫降臨のお話はこちらでご紹介しています。

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天孫降臨で地上に降り立った邇邇芸命は、そこで知り合った木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)と結婚し、3人の子供ができました。

海幸山幸神話の主役は長男の海幸彦と末っ子の山幸彦

海幸彦と山幸彦は兄弟喧嘩をし、兄ちゃんに散々に怒られた山幸彦は海の国に住むことになります。
そこで豊玉姫命(とよたまひめ)と結婚しました。

数年後、山幸彦は海の国の王様の力を借りて兄の海幸彦に復讐し、地上の青島に戻ってきます。

海幸山幸神話の詳細

海幸山幸神話を詳しくご紹介。

女性の情熱は今も昔もすごいです

天孫降臨で地上に降り立った邇邇芸命(ににぎのみこと)は、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)という美しい女性に出会い一目ぼれします。
名前からして可愛いですよね。

二人は結婚しましたが、木花咲耶姫命は一夜を共にした後すぐに3人の子供を身ごもります。

邇邇芸命は、
「もう身ごもったのか。さすがに早すぎるだろう。それは本当に俺の子か??」
と木花咲耶姫命のお腹の子が別の男の子供ではないかと疑います。なかなかのダメ夫っぷり。

疑われたことに当然のごとくカチンときた木花咲耶姫命。
産小屋を建ててその中に入り、産む時になって
「これからこの小屋に火をつけます。お腹の子が他の男の子供なら、産む時に大やけどするでしょう。しかしあなたの子なら無事に生まれるでしょう」
といい、産小屋に火をつけました。
繰り返します。
産小屋に本当に火をつけました

燃え盛る炎の中、咲耶姫は出産に挑みます。
結果、邇邇芸命との子だったので、無事に3人の子が産まれました。
きっと邇邇芸命は疑ったことを事あるごとに一生言われ続けたことでしょう。

ちなみに、
火が盛んに燃えていた時に生まれた長男を火照命(ほでりのみこと。海幸彦
火が弱くなってから生まれた次男を火須勢理命(ほすせりのみこと)。
火が消えた時に生まれた三男を火遠理命(ほおりのみこと。山幸彦
といいます。

海幸彦と山幸彦の兄弟喧嘩

長男の海幸彦は、海で漁をすることが得意。
末っ子の山幸彦は、山で獣を狩ることが得意でした。

あるとき、山での獣狩りに飽きた末っ子の山幸彦は、海で魚を捕ってみたいと考えます。
そこで長男の海幸彦に自分の狩猟道具と釣竿を交換しないかと持ち掛けます。
了承した海幸彦は大事な釣竿と釣針を山幸彦に預け、山幸彦から弓矢を預かりました。

借りた釣竿をもって揚々と海釣を楽しんでいた山幸彦ですが、誤って兄ちゃんの釣り針を海になくしてしまいます。
これは兄ちゃんに盛大に怒られると慄きつつ、山幸彦は海幸彦に正直に話して謝りました。
しかし兄は自分の大事な釣り針を失くされては明日から海釣りができません。

「必ず探し出せ!」

と山幸彦を追い出しました。
仕方なく海に戻った山幸彦。しかし、海に落とした釣針が見つかるはずもなく呆然としてしまいます。

なんとか兄ちゃんに許してもらおう…と山幸彦は自らの剣を砕いて釣り針を作り、自作釣り針を持って兄ちゃんのところに再度行きました。
しかし、意固地になった海幸彦はそれでも弟を許しません。

豊玉姫命との運命の出会い

 海幸彦になかなか許してもらえない山幸彦は海辺で一人しょんぼりしていました。
そんなとき、
「これこれ小僧や。寂しそうな顔をしているがいかがした。」
と塩土老翁神というおじいさんに声をかけられます。
山幸彦からことの顛末を聞いた爺様は、
「海の神様に会わせてやるから相談してきなさい」
と、小舟を作ってくれました。

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山幸彦は爺様のご好意に素直に従い、小舟で海底に向かいます。
海の国につくと、山幸彦は海の神様の娘の豊玉姫命(とよたまひめのみこと)と出会います。
山幸彦と豊玉姫命はお互い一目惚れしあい、結婚することにしました。
山幸彦の父親の邇邇芸命も一目ぼれからの結婚だったし、惚れっぽいのは父の遺伝子なのでしょうか。

山幸彦は海の国に豊玉姫命と仲良く3年住みます。

3年前の恨みを晴らすべく兄ちゃんに復讐

海の国で3年もたったある日、
「そういえば兄ちゃんの釣り針を探してたんだった!」
と、海の国に来た理由を思い出した山幸彦は、豊玉姫命に相談します。
豊玉姫命は父の海神様に相談しました。

「娘の旦那の頼みならば手を貸そう」
と、海神様は配下の魚を呼び集めます。
そのとき集まった鯛がすこぶる調子が悪そう。鯛にわけを聞くとどうにも海幸彦の釣り針を飲み込んだよう。
鯛に吐き出させて無事釣り針を取り返した山幸彦は元の国に帰る事にしました。
このとき豊玉姫命のお腹には山幸彦との子供がいました。
そこで父の海神様は、山幸彦に呪文と塩満玉(しおみつたま)、塩乾玉(しおひるたま)という2つの宝玉を持たせます。
塩満玉は使えば洪水を起こすことができる宝玉。塩乾玉は使えば洪水を止めることができる宝玉です。
山幸彦は礼を言って、豊玉姫命を残して地上に戻りました。

地上に戻った山幸彦はさっそく兄の海幸彦に釣り針を返します。
そのとき、3年前にいじめられた復讐として海神様に教えてもらった呪文を唱えました。
この呪文は、海幸彦が貧乏になる呪文。兄ちゃんは呪文にかかってとっても貧乏になってしまいます。

怒った兄ちゃんは山幸彦に殴りかかりますが、山幸彦は海神様に貰った塩満玉を使って洪水を起こし、兄ちゃんを溺れさせて見事返り討ち。

おぼれた海幸彦が
「助けてくれー!」
と命乞いをすると、山幸彦は今が好機!とばかりに、
「兄ちゃん兄ちゃん、今後は私に逆らってはいけません。そうすれば洪水を止めて助けてあげます」
と悪魔のような約束を持ちかけました。

海幸彦は死ぬよりはマシ、と思い、弟の要求をのみます。
そこで山幸彦は塩乾玉を使って洪水を止めて兄を助けました。
末っ子はちゃっかりしていると言いますが、山幸彦はやることが中々えげつないです。

豊玉姫命のお産

それからしばらくして、海の国に残してきた嫁の豊玉姫命は臨月を迎えました。
お産のために亀に乗って鵜戸にあった山幸彦の家を訪れます。
山幸彦は早速洞窟に産小屋を建て始め、お産の準備に取り掛かります。
そしていよいよ子を産むときに、豊玉姫命は山幸彦に「決してこの戸を開けないでくださいね。」とお願いします。
鶴の恩返しのようです。

しかし開けるなと言われたら開けたくなるのは人も神も同じのようで、山幸彦はこっそりと戸を開けて中を覗いてしまいます。そこにはワニの姿となった豊玉姫命がいました。
無事に子供は生まれましたが、ワニの姿を見られた豊玉姫命は山幸彦を恨んで海の国の実家に帰ってしまいます。

豊玉姫命はぷんすかして帰りましたが、生まれたばかりの我が子が無事育つようにと、自分の両乳を洞窟に置いていきました。
さらに、男手ひとつで子育てができるわけないと考えた豊玉姫命は、妹の玉依姫命に
「私は旦那の顔も見たくないけど子供のことが心配なの。私の代わりに山幸彦のところにいって子育てしてくれまし」
とお願いします。
妹の玉依姫命は了承し、山幸彦の子を育てました。

その子は成長して鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)と呼ばれます。
鵜葺草葺不合命が成人すると、鵜葺草葺不合命を育てた玉依姫命と結婚し、4人の子を産みました。

その第4子が後の神武天皇といわれています。

まとめ

いかがでしたか。
海幸山幸神話に出てくる鵜葺草葺不合命の出産に使われてた洞窟は、宮崎県の鵜戸神宮といわれています。
鵜戸神宮には豊玉姫命が洞窟に置いていった両乳をお乳岩として祭られています。

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